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地盤改良は何をするのか?必要性と工事するメリット・デメリット

2022年11月11日

建造物を建てるとき、必ず必要となるのが地盤調査です。
調査結果で地盤が弱いとわかると、地盤を強くしなくてはいけません。

工事するには費用が発生するため、場合によっては予算オーバーとなるケースもあるでしょう。

建築を考える前に、地盤改良はどんなことをするのか、必要性や施工前に知りたい情報を詳しくお伝えします。

地盤改良は何をするのか?必要性と工事するメリット・デメリット

地盤改良とは?

地盤改良とは、柔らかい土地を補強して、建物を建てても倒壊や液状化による被害を防ぐ工事です。

見た目はとてもしっかりした土地でも、調べてみると地面の下はまるで豆腐のように柔らかいというケースも珍しくありません。

豆腐の上に家を建てるという状況を想像するとわかりますが、不安定な場所に建築すると入居と同時に「建物が傾く」「住宅構造に歪みが生じる(窓や扉が開かない)」など、さまざまなトラブルが発生します。

地盤改良の種類と特徴

土地によって地盤の状況は違うため、大きく分けて三種類の工事を行います。
各工法の特徴をチェックしていきましょう。

表層改良工法

表層改良工法は、柔らかい地層が地上から約3mの浅い土地に行う工事です。
軟弱な部分を重機で削り取り、掘った穴にセメントを流し込んで地盤を強化します。

特殊な重機車両や杭を必要としないため、工期は約二日と短く、費用が安いのが特徴的です。

柱状改良工法

柱状改良工法は、柔らかい地層が地上から約2~8mの土地に行う工事です。
表層改良とは違い、建造物を建てる範囲内で部分的に円柱の穴を掘り、土とセメントを混ぜて撹拌して柱を作ります。

杭は穴を掘りながら作るため、工期は約二日と短く、騒音や振動が少ないので近隣住民への影響を最小限に抑えられます。

小口径鋼管杭工法

小口径鋼管杭工法は、柔らかい地層が地上から約4~10mの土地に行う工事です。
他の地盤改良と違い、セメントではなく鋼管で製造した杭を建造物の範囲内へ打設します。

杭は重機によって杭を回転させながら打ち込むため、残土がほとんど出ません。

杭の運搬などで多少工期に時間はかかるものの、他の工法に比べて強度が高いので三階建て住宅などに向いています。

地盤改良の工事が必要な状況

地盤改良は土地によって工事がまったく必要ないケースもあります。
必要ない場合、費用はかからないので予算オーバーする心配はありません。

改良が必要な土地は、地面が建造物を支える強さが1平方メートルあたり3トン以下だった場合です。

実際にどんな状況の土地が改良をしているのか、それは次のような場合です。

・田んぼや沼地などの土地だった
・液状化が起こりやすい
・地盤沈下が近隣で起こっている

建築前に必ず地盤調査を行って、土地状況を調べてから工事するかを判断します。

地盤改良する費用相場

もし、地盤改良が必要な土地だった場合、費用はどこまで改良するべきかで変わってきます。

例えば、昔田んぼだったところは、水分を含んだ土が多く水を流すために傾斜が付いているケースが多いです。

このような土地は杭を打ち込むなどする他、盛り土をして斜面を平にしなくてはいけません。
費用目安は地上から5m程度の改良であれば50~100万円ですが、地上から10m程度の工事が必要なら100万円以上かかるでしょう。(約30坪の戸建て住宅建設の目安)

土地の状況によって工法の種類が違うため、費用削減のために選ぶことはほとんどできません。

また、固くてしっかりとした地盤づくりをするには、業者の知識と経験が欠かせません。

地盤改良のメリット・デメリット

地盤を強くすることで、どんな利点や欠点があるのかチェックしておきましょう。

地盤改良のメリット

・地盤沈下や液状化の心配が軽減
・地震による住宅の振動や傾きが減少
・近所を大型トラックが走っても住宅が揺れない
・土地売却時に査定が高くなりやすい
・安心して住み続けられる

地震大国である日本は、自然災害の備えが必要です。
最近は地震の回数が増えて、いつ大きな地震が起こるかわかりません。

地盤が弱いと地盤沈下や液状化、住宅の倒壊などの心配が増えるため、工事をしておくことで少なからず安心して暮らせるでしょう。

地盤改良のデメリット

・土地によって工法が違う
・事前に明確な費用がわかりづらい
・業者の技術力で強度が変わる
・地層に埋めた杭は廃棄物となる
・売却時、撤去費用の請求もある

着工前に地層の状況を見てから、どの工法が適しているのかを決めます。
そのため、場合によっては地上から10m下まで杭を打設する土地もあるので、明確な費用を把握できません。

また、打設したセメントや鋼管は産業廃棄物なので、将来売却するときに購入者から撤去費用を求められる可能性があります。

地盤を強くした土地をそのまま使えるなら売却価格は高いのですが、不必要と判断されると逆にマイナス査定なので負担は大きいでしょう。

まとめ

地盤改良は、必要な土地と必要のない土地があり、状況によって工法が違います。
柔らかい地層を強化することで、地上に建てた建造物を安定できますが業者によって技術力は違うため必ずしも安心とはいいきれません。

業者へ依頼するときは、過去の実績や取り組みなどを信頼できる会社へお任せしましょう。