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粘土層の地盤の特徴とは?地盤に合った地盤改良工法について

2022年05月01日

土地に建築物の建造時には、その建物の重量に耐えられるだけの地耐力がある地盤かを考える必要があります。
地盤には支持地盤といって建物の重量に十分耐えられる地盤と、軟弱地盤といって耐えられない地盤があります。

粘土層の地盤は「支持地盤」にも「軟弱地盤」にもなりえるといわれますが、どうしてでしょうか。

粘土層の地盤の特徴とは?地盤に合った地盤改良工法について

粘土層の地盤の特徴

注文住宅を建てるための土地探しをするときには、立地や面積、形以外にも考慮すべき点があります。
それが地盤や土質です。

粘土層は粘性土が堆積した地盤で「支持地盤」として強固であるといいます。
ですが一方で粘性土は「軟弱地盤」なので注意すべきという人もいます。
これは、粘性土が持つある特徴のためです。

土の粒子の結合

粘性土は、細かな土の粒子が集まった土質です。
土の粒は非常に細かいため、その隙間には水や空気が入り込みます。
ですが、砂のように入り込んだ水がすぐに通り抜けることがありません。

これは土の粒子同士が結合しているためです。
この土の粒子同士の結合が強固である場合、地盤の地耐力が高く支持地盤として住宅の重みをしっかりと支えられる地盤となります。

ですが、土の粒子同士の結合が絶たれてしまうと一気に地盤の地耐力が下がります。
建物が沈んだり傾いたりする「軟弱地盤」になります。

水や空気の存在

水捌けが悪い粘性土の中には、多くの水分が含まれている場合があります。
地面に圧力が加わると、粘性土の中に含まれていた水分が押し出されるのです。
空気やガスといった気体も同じように圧力がかかると押し出されます。

今まで建物がなかった場所に建物を建てた場合、その建物の重量が地盤に圧力となり加わります。
建物の重量によりゆっくりと水分や空気、ガスが押し出されると、ゆっくりと粘性土も収縮します。

この現象を圧密といいます。
圧密が発生すると徐々に地盤が下がっていき「圧密沈下」が発生するのです。
圧密沈下は土地全体ではなく、水分や空気、ガスがあった部分にだけ発生します。

つまり、土地の一部分だけが圧密沈下を起こす「不同沈下」が起こるのです。
結果として建物が傾いたり歪んだりする場合があります。

地盤改良の要・不要

一般的な2階建て戸建て住宅を建設する場合で考えていきます。
土地が粘性土の地盤だった場合は地盤改良をした方が良い場合としない方が良い場合があります。

地盤改良が必要な場合

造成地で土をよそから持ってきて盛った「盛土」の場合は基本的には地盤改良が必要になるでしょう。
また、崖下の土地や河川が近い場所、地名に水に関する文字が使われている地域も地盤改良を勧められるケースが多くなります。

水に関する文字が付く地域は、現在は問題がなさそうな土地でも、かつては沼地や池だった場所を埋め立てた可能性があります。
また、河川の氾濫などで上流域の土砂が入り込んだ土地かもしれません。
これらの土地は土の粒子の結合が崩れた粘性土である場合が多いためです。

地盤改良が不要な場合

地表からすぐの場所に支持地盤がある場合は地盤改良の必要性がありません。
また、ローム層が支持地盤として使える場合は地盤改良工事がかえって地盤を弱くする危険があります。
掘削工事により、土の粒子同士の結合が崩れる可能性があるためです。

同じ土地でも場所により違う判断が必要な場合も

1軒の建物を建てようとしている同じ土地でも、その地下の様子は場所により異なります。
例えば、ある場所は地盤改良が不要でも、ある場所は地盤改良が必要な場合もあります。
土地購入前には一度地盤調査を実施し、地盤の様子を確認しておくと安心でしょう。

地盤改良の方法

粘土層の地盤に地盤改良工事を実施する場合、どのような工法があるのか解説します。

表層改良工法

軟弱地盤が、地表から2m以内に堆積している場合に用いられます。
軟弱地盤を掘り出し、セメント系固化材を混ぜ合わせた後再び地盤に戻します。
勾配がほとんどない土地や地下水位が低い土地での施工が可能です。

柱状改良工法

地表から2~8mほどの深さに軟弱地盤がある場合に用いられます。
また、圧密沈下の発生が危惧される場合も適した工法です。
地盤改良を施したい場所に直径60㎝程度の穴を掘りながらセメント系固化材を注入し土と攪拌します。

良好地盤に到達するまで掘り、円柱状の補強体を形成する工法です。
補強体が大きいため、支持地盤まで到達しなくても建物を支えられる工法です。

小口径鋼管杭工法

地表から8~30mほどの深さにまで軟弱地盤がある場合に用いられます。
また、狭小地で柱状改良工法が対応できない土地でも用いられます。

この工法では支持地盤まで鋼製の杭を打ち込むことで建物を支えます。
ですから、支持地盤がなければ小口径鋼管杭工法はできません。

まとめ

粘土層の地盤は基本としては地耐力がある地盤ですが、盛土や土砂災害により堆積した場所などでは地耐力が低くなります。
粘性土だからという理由だけでは、本来の地耐力は分からないといえるでしょう。

住宅建設予定地の場合、地盤調査を実施し地盤改良の要・不要を判断すると安心です。
軟弱地盤の深さにより適した工法は違います。
むやみに地盤改良するのではなく、適切な工法で実施することが必要でしょう。