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電柱の高さは何m?規格や基準など基礎知識を解説

2023年03月31日

電柱の高さは何m?規格や基準など基礎知識を解説

そもそも電柱って何?電柱の役割について

普段よく見かける「電柱」ですが、そもそも電柱とは何でしょうか。
また、どのような役割があるのでしょうか。

電柱とは、上空に電線ケーブルなどを引く際に、それらを支えるための柱のような工作物のことです。

電線の中にもさらに種類が分かれています。上部に高圧配電線や低圧配電線などの電力線、下部に通信線があります。

上から順に高圧配電線、低圧配電線、変圧器、通信線の4種類のケーブルや装置が電柱に搭載されています。

また、変圧器(トランス)とは、バケツのような形をしたもので、6000Vの高圧電力を低100~200Vの低電圧電力に変換し、各家庭に提供するものです。

電柱の高さは決められている

電柱は12、14、16mの3種類の高さが決められています。

電柱には2種類があり、1つは電力を供給する電力柱で、もう1つは電話やネット通信のための電信柱です。

電力柱とは、電力会社が道路上などに設置している、電気を送る電線が取り付けられている電柱のことで、各家庭や職場などに電気を届けるものです。

高さは11m、12m、13m、14m、15m、16mのものがあり、いずれも全体の長さの6分の1が地中の中にあります。

電信柱とは、通信会社が設置している、電話回線や光ケーブルなどの通信回線が取り付けられている電柱のことで、各家庭に通信を届けるものです。

高さは8m、10m、12m、15m、16mのものがあり、いずれも全体の長さの6分の1が地中の中にあります。

電信柱の方がやや低めですが、一見同じものに見えます。

電信柱は12mのものが多く、左右に45cm間隔で足場ボルトが取り付けられています。
これは、作業員が点検などで電柱に登るためのものです。

足場ボルトは事故などを防ぐために、地表から1.8m以上の高さに取り付けなければならないとされています。

電柱の見分け方のポイント

実際に電柱の高さを見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。

電柱の高さを見分けるポイントとして、電柱の約2mの高さに直径4.5cmほどに「柱種標」という白いメダル状のプレートが張り付けられています。

プレートの記載内容は以下の情報です。

1.製造年(2023など)
2.全長(14mなど)
3.強度(5.0など)
4.重量(1.3tなど)
5.製造会社

このプレートを見れば電柱がいつ製造されたのか、高さ、強度、重量、建築した会社の情報がすぐにわかります。

電力会社によっても、柱種標に書かれている情報の配置は違っています。
東京電力管内では柱種標の一番下に書かれた業者が所有者であり、関西電力管内では柱種標の一番上に書かれた業者が所有者です。

全国の柱種標は、マニアの撮影の対象としてもよく知られています。

電柱の根本の太さは30cmですが、上の方に行くにしたがって細くなっているのが特徴です。

電柱の高さに関する法律と規制

一般的な高圧線の高さは、おおむね13mになっています。

道路構造令によると、車道の上の電線は4.5m以上の高さにしなければならないとされています。
電線のたるみや舗装でのかさ上げもあり得ることから、基本的には5mの高さが必要でしょう。

光ケーブルなどの通信線も道路以外の場所では3.5m以上、車道の上は5m以上の高さが必要です。

知り合いの業者に頼んで、この基準以下の高さにしてもらったりすると違法行為となります。

しっかりルールを守って安全な暮らしができるようにしたいものです。

年々進む無電柱化

諸外国では無電柱化が進んでおり、日本でも最近は無電柱化を進める動きが都心を中心に出始めています。
しかし、日本の場合、コストが莫大にかかるうえに、自然災害時の復旧にも時間がかかるということで難航しているようです。

電柱や電線は確かに景観をそこねる場合がありますが、一方では「日本」のノスタルジックな風景という趣もあります。
無電柱化してしまうのはちょっぴりしのびないという気もします。

電柱の高さには意味がある

道路構造令では、車道の上の電線は、4.5m以上の高さにしなければならないと規定されていますが、電線のたるみや舗装でのかさ上げもあるので、基本的には5mの高さが必要です。

さらに、光ケーブルなどの通信線も車道の上では5m以上、それ以外の所では3.5m以上でなければなりません。

このように電線やケーブルの高さが法律等で定められている理由は、一般の人が接触することで発生する事故を防止するためのものです。

したがって、電線やケーブルの高さをキープするためにも、電柱の高さを定めることには意味があります。

電柱には中古品もあり、自分で購入することができますし、リサイクルされて再利用されているケースもあるようです。

現実に、電線の高さが規定よりも低いことが原因で、多数の事故が発生しています。

きちんとルールを守って、すべての日本人が安全で、快適な暮らしができるようにしたいものです。

また、電線のたわみや誰が見ても低い位置にある電線を目撃したら、放置せずに直ちに管轄の電力会社に連絡しましょう。