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無電柱化が進まない理由は?無電柱化のメリットデメリットと共に解説

2024年03月29日

海外に比べて日本は電柱の地中化が進んでいないといわれています。
無電柱化はメリットもありますが、デメリットも把握しておく必要もあります。

本記事では、海外に比べて電柱の地中化が進まない理由や地中化を進める際に把握してお
くべきこと等を紹介します。
電柱の地中化を検討している方は参考にしてください。

無電柱化が進まない理由は?無電柱化のメリットデメリットと共に解説

世界では無電柱化が進んでいる

無電柱化とは電線を電柱の上ではなく地中に通す方法です。
電柱を立てないことで、景観が良くなる、道が広くなるといったメリットがあります。
日本でも一部の地域は無電柱化が進んでいますが、東京23区で8%、大阪市で6%程度です。

一方、ロンドンやパリ、シンガポールや香港は100%、台北では96%も無電柱化が進んで
います。
東京や大阪はロンドンやパリと比べて遜色ない大都市です。

日本の技術ならば東京や大阪中の電柱をすべてなくして無電柱化も十分に可能でしょう。
しかし、現実は東京・大阪共に無電柱化は10%も進んでいません。

日本で無電柱化が進まない原因

ここでは、日本では無電柱化がすすまない理由について解説します。

無電柱すると、火事や地震などの災害が起こっても電線が被害を受けにくい、感電事故などの二次災害が起こりにくいといったメリットがあります。
それなのに、なぜ無電柱が進まないのでしょうか?

コストが高い

無電柱化をするには、電線やインターネットの回線などを管路に収容して埋める電線共同
溝方式と、管路に収容せずにそのまま地面に埋める直接埋設方式の2種類があります。

日本では、電線共同溝方式で無電柱化が行われており、無電柱化が100%近いパリやロン
ドンなどは直接埋没方式が主流です。
電線共同溝方式はコストが高く、高圧1回線当たりの地中化コストは、日本では約3,200万
円に対し、パリ市では約2,600万円といわれています。

パリより1回線当たり1,000万円高ければ無電柱がなかなか進まないのもうなずける理由で
す。

日本で直接埋設法が進まない理由は、メンテナンスが大変なためです。新規の電力需要に
応えるため以外にも災害で地中の電線が被害を受けた際も掘り返して修理が必要になるた
め、直接埋設法は使われていません。

個人の所有地に電柱が立てられている

日本では、個人の所有地に電柱が立てられているケースが多いです。そのため、電柱を地
中化するためには所有地の許可を得なければなりません。
許可を得るには時間と手間がかかるうえ、道路を管理する自治体が電力会社やインターネ
ットケーブルの会社と調整もする必要があります。

長距離を無電柱化したいほど調整や許可取りに時間がかかるため、結果的に無電化がなか
なか進みません。

ちなみに、国土交通省の新設電柱の調査結果概要によると、2021年4月~12月の9ヶ月にお
いて、電柱は約3.3万本増加しています。
この電柱をすべて無電柱化するのは長い時間がかかりそうです。

無電柱化のメリット・デメリット

無電柱化には前述したようなメリットだけなくデメリットもあります。

ここでは、無電柱化のメリット・デメリットの両方を紹介します。
無電柱化を検討している方は両方を参考にしてください。

無電柱化のメリット

無電柱化のメリットは、以下のような点が挙げられます。

● 景観がよくなる
● 都市設計の自由度が上がる
● 安全面が高まる

電柱や電線があると、どうしても景観が損なわれます。
電柱があるから道路が広げられない、バリアフリー化ができないといったケースは珍しく
ありません。

また、電柱があるとその分道路が狭くなります。
歩行者はもちろん、自転車に乗った方やベビーカー、車いすの方も通りにくくなるだけで
なく交通事故の危険も高いです。

無電柱化すると、広い歩道が作れて自動車・歩行者両方が安全に通行できるようになりま
す。

無電柱化のデメリット

無電柱化のデメリットには、以下のような点が挙げられます。

● メンテナンスが大変
● 管理のコストが高い
● 場所によっては利害関係が複雑で工事が進みにくい

一般的な電線は線が空中につられているので、メンテナンスが容易といったデメリットが
あります。
電線が切れた場所もすぐに発見できるため、停電が起きても復旧しやすいです。

一方、地中に電線を埋めてしまうとメンテナンスに手間と費用がかかります。
その結果、メンテナンス費用が電気料やインターネット料金に上乗せされる恐れもあるで
しょう。

無電柱化には地域での意見一致が必要

無電柱化を検討している場合、以下のポイントに留意するとスムーズに進みやすいでしょ
う。

● 地域で意見を一致させて無電柱化に取り組む
● 経験豊富な業者に依頼
● コストが安い工事方法を選ぶ

無電柱化を勧めたい場合、どうしても私有地に穴を掘って電線を通すケースもあります。
無電柱化に賛成の方と反対の方がいる場合、交渉が難航しがちです。

無電柱化を進めたいならば、まずは地域住民の理解を得て意見を一致させてから工事業者
を探しましょう。
また、経験豊富な業者に依頼すれば、工事費用を抑える方法なども提案してもらえます。

まとめ

本記事では、無電柱化が進まない理由について解説しました。
しかし、世界の流れは無電化に進んでいます。
そのため、日本でも法律を制定するなどして無電柱化を進めています。

弊社は、電柱工事は行っておりませんが無電柱化の工事は経験豊富です。
無電柱化を検討している方は、一度ご相談ください。

※電柱の移設や撤去はおこなっておりません。