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土の三軸圧縮試験とは何か?関連資格と資格取得のメリット

2022年09月03日

地盤の特徴を知るための試験方法は、いくつかあります。
そのうちの一つが「三軸圧縮試験」です。
具体的には、どのような試験なのかを解説し、三軸圧縮試験に関連する資格についてまとめます。

土の三軸圧縮試験とは何か?関連資格と資格取得のメリット

土や地盤の特性を調べる3つの試験

建物を建てるときには、建設予定地の土地や地盤の特性を把握する必要があります。
土の特性把握のために実施される試験を「土質試験」といいます。
土質試験は大きく分けると次の3種類に分けられます。

・物理試験
・力学試験
・その他の試験

「三軸圧縮試験」は、このうち「力学試験」に当てはまります。

力学試験とは

力学試験は地盤の特徴の中でも、強さを知るために実施する試験です。
土の強度や内部摩擦角、粘着力などが調べられます。

力学試験では、一軸圧縮試験と三軸圧縮試験の2つの試験方法があります。
一軸圧縮試験では、試験体に鉛直方法にだけ圧縮力を加えますが、三軸圧縮試験ではさらに水平方向からも圧縮力を加えます。

鉛直という言葉は耳慣れないかもしれませんが、イメージとしては垂直に似ています。
糸の先に重りを垂らしたときの糸の方向のことを「鉛直」といいます。
垂直は、ある方向に対して直角となる方向です。

地面が水平であれば、鉛直と垂直は同じ方向になります。
ですが、地面が斜めになっている場合は地面に対しての鉛直と垂直は違う方向になります。
地盤は常に鉛直方向に圧縮力を受けるため、一軸圧縮試験や三軸圧縮試験では垂直方向ではなく鉛直方向に圧縮力をかけるのです。

地中の地盤は常に鉛直方向だけではなく、水平方向からも圧縮力を受けています。
三軸圧縮試験を実施することで、試験体は地中と近い状態で試験が可能となります。

三軸圧縮試験で分かること

三軸圧縮試験では次の4つの目的を持って実施されます。

・粘着土地盤の支持力や杭周辺汚摩擦の算定
・主に粘性地盤の圧密化完了後の地盤の安定計算
・主に粘性地盤の長期安定解析や盛土、擁壁、掘削土の安定解析
・砂質土地盤の支持力や盛土地盤の長期安定性の推定

試験の方法

直径3.5、5.0,7.5、10cmで、直径の2.0~2.5倍の高さを持つ供試体を使い三軸圧縮試験を実施します。
水平方向への圧縮力は液圧といって水を使い実施するため、供試体は薄いゴムに包まれます。
圧力室に供試体をセットし、水平方向へ圧力を加えます。

さらに鉛直方向にも、圧力を加えます。
圧力により供試体が壊れるまで圧力を加え続けます。
試験の目的に応じ、供試体からの排水条件や圧密条件を変えます。

関連資格と資格取得のメリット

三軸圧縮試験をはじめ、土質調査に関わる資格に「地質調査技士」があります。
地質調査技士には現場調査部門と現場技術・管理部門の2部門があり、それぞれ受験資格が違います。

土壌・地下水汚染部門もありますが、2021年度より試験は休止中です。
現場調査部門と現場技術・管理部門のどちらとも受験資格には実務経験が含まれています。

現場調査部門

実際に現場において、ボーリングマシーンのオペレーターやボーリングに関する機器を操作する人が受験するのが現場部門の試験です。
四肢択一の筆記試験(80問)と記述式問題(1~2問)さらに口頭試験が実施されます。

現場技術・管理部門

地質調査に必要な現場を管理する人や物理検査や土質試験や計測業務などをする人が受験するのが現場技術・管理部門です。

三軸圧縮試験を実際に実施するのは現場技術・管理部門の地質調査技士の仕事となります。
四肢択一の筆記試験(100問)と記述式問題(2問)で試験が実施されます。

資格取得のメリット

地質調査技士の資格受験のためには実務経験が必要です。
つまり資格がなくても仕事自体は可能です。
ですが資格取得することで得られるメリットがあるため、資格取得を検討する価値があるでしょう。

地質調査技士は、国土交通省が実施している「技術者資格登録制度」に登録されています。
このため認定資格として資格手当が支給されるケースが増えています。

また、公共工事では地質調査技士を現場代理人として指定することも増えています。
つまり資格を持つことで、仕事の幅が広がる可能性があります。
転職の際にも資格を保有していることが有利に働く可能性を秘めています。

難易度

実務経験が必要な地質調査技士の試験は、働きながら取得を目指す人も多いためか難易度は比較的低い試験です。
参考書などで勉強すれば十分取得可能といわれています。

まとめ

地盤の強さや特徴を知るための地質試験の一つが三軸圧縮試験です。
特に地盤の強さを計る試験で、関連資格として地質調査技士(現場技術・管理部門)があります。

実務経験が必要な資格ですが、試験の難易度自体は決して高くはありません。
ですが、企業によっては資格手当が支給されるメリットもある資格です。
将来性も高いため、三軸圧縮試験の技術者を目指すなら地質調査技士の資格も視野に入れてください。