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電柱の間隔は何メートル?電力会社により決められてる距離について解説

2023年08月16日

近代社会において電力は、私たちの生活を支える不可欠な要素となっています。
その中でも、直接電力を送るわけではないですが、電柱と言うのは重要な役割を持ちます。

電力を効率的に配布するためには、電柱同士の適切な間隔設定が不可欠です。
では、なぜ電柱同士には間隔が必要なのでしょうか? 本記事では、「電柱の間隔は何メートルなのか?」という疑問にお答えしつつ、その背後にある理由や関連する要因について解説していきます。

さらに、地域や電力会社の違いによる設定の変化や、電柱の最新の取り組みにも触れながら、電柱の役割と重要性を探ってみましょう。

電柱の間隔は何メートル?電力会社により決められてる距離について解説

なぜ電柱同士には間隔があるのか

電柱同士に間隔がある理由は、その設置間隔が電力供給の安定性と耐災害性を保つために重要な役割を果たしているからです。
適切な間隔が保たれることで、電力網全体が順調に機能し、外部要因による影響を最小限に抑えることができます。

短いと意味が無く、長すぎると天災や事故に弱くなるから

電柱同士の間隔が短すぎると、電力線同士が干渉し合い、電力の遮断や故障が起きやすくなります。
逆に、間隔が長すぎると、電力網が過大な負荷に耐えることが難しくなり、天災や事故の影響を受けやすくなります。
適切な間隔を保つことで、これらのリスクを軽減することができます。

電力会社によって間隔が決められている

電柱同士の間隔は、電力会社によって間隔が決められています。
これは、地域ごとの気象条件や地形、需要の差異を考慮し、最適な電力供給を確保するための措置です。
これにより、電力網の安定性と信頼性が確保されます。

電柱同士の間隔はおおよそ30~50m

電柱同士の間隔は一般的に30~50メートル程度とされていますが、具体的な距離は電力会社や地域によって異なります。
この違いは、地域の人口密度や土地の特性、建物の分布などによるものです。

電力会社によって違う

異なる電力会社は、その管轄地域のニーズに合わせて電柱の間隔を決定します。
需要のピークや気象条件、地域の発展度などを考慮して最適な設置間隔を選定することで、電力供給の安定性を保ちます。

定められている電柱の間隔は、電力会社それぞれの「約款(不特定多数に対する契約書のようなもの)」の中で明示されています。
以下は代表的な電力会社における電柱同士の間隔です。

市街地とその他で分けられています。

北海道電力

市街地: 20~40
その他: 40~60

東北電力

市街地: 45
その他: 55

東京電力

市街地: 30
その他: 40

北陸電力

市街地・その他: 40~50

中部電力

市街地: 30~40
その他: 40~50

関西電力

市街地: 30~40
その他: 40~50

中国電力

市街地: 40
その他: 50

四国電力

市街地・その他: 40~50

九州電力

市街地・その他: 40~50

沖縄電力

市街地・その他: 40~50

地域や土地の特性によっても違う

地域や土地の特性も電柱の間隔に影響を与えます。
たとえば、建物の多い街中では電柱同士の間隔を狭くすることで、需要の増加に対応しやすくしています。
一方、建物が少ない地域では、広い間隔を取ることで効率的な電力供給を図ることができます。

建物の多い街中は間隔が短い

都市部など建物の密集する地域では、電力の需要が高くなる傾向があります。
そのため、電柱同士の間隔を狭めることで多くの建物への安定供給を確保します。

建物が少ない地域は間隔が長い

一方で、建物が少なく広い土地が広がる地域では、電柱同士の間隔を広く取ることで、電力線の長距離輸送を効率的に行います。

電柱にかかる「負荷」が考慮されている

電柱同士の間隔は、電力線にかかる負荷を考慮して設定されています。
電力線が適切な間隔で配置されることで、電力の損失や過負荷を最小限に抑え、効率的な電力供給を実現します。

電柱にかかる負荷は、以下のような要因によって影響を受けます。

電線の重さと太さ: 電線やケーブルの重さや太さが電柱に負荷をかけます。
大量の電線が引かれる場合、適切な支持構造が必要です。

トランス(変圧器)の重さ: トランスは電力を変換する装置で、その重さが電柱に負担をかけます。
適切な取り付けと補強が必要です。

風圧(強風、台風)
強風や台風の際には、電線や電柱に風圧がかかります。
風による負荷に対する耐久性が求められます。

振動
道路上の振動や風による振動は、電柱に疲労を引き起こす可能性があります。
振動に対する強度が重要です。

地盤の強弱
電柱の基礎は地盤に支えられています。
地盤の強度が不足すると、電柱が倒れる危険性があります。

設置場所と段差
電柱の設置場所や地面の段差も負荷に影響します。
地面の均一な基礎が安定性を保つ鍵です。

道路事情
道路の交通量や特殊な場所(交差点など)での設置は、負荷を考慮した設計が必要です。

これらの負荷要因は、電柱がどれだけ頑丈であるか、どれだけ長持ちするかに影響を与えます。

電柱で行なわれている取り組み

GPS化

近年、電柱の位置情報をGPS技術を用いて管理する取り組みが進んでいます。
これにより、電柱の位置を正確に把握し、効率的な保守や修理作業を行うことができます。
また最近では電力会社が電柱の位置情報を一元化する取り組みも進んでおり、電柱や電力設備の管理や運用が向上し、顧客に対するサービスの質が向上することが期待されます。

地中化

一部の地域では、電力線を地中に埋設する「地中化」が進められています。
これにより、電柱の設置間隔に関する制約を軽減し、景観の向上や耐災害性の向上が期待されています。

電柱は生活を支える重要なインフラ

電柱は、我々の生活に欠かせない電力を供給するための重要なインフラです。
適切な間隔と配置によって、安定した電力供給が実現され、社会全体の機能が支えられています。